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【疑問】ブルーベリーの旬と収穫時期は?果物としての特徴・栄養・栽培方法まで徹底解説

【疑問】ブルーベリーの旬と収穫時期は?果物としての特徴・栄養・栽培方法まで徹底解説

ブルーベリーはジャムやヨーグルトなどでよく使われている果物ですが、旬や特徴、栽培方法などを知らない方も多いのではないでしょうか。本記事では、ブルーベリーの旬や収穫時期から、栄養素、栽培方法まで詳しく解説します。

本記事を読むことで、ブルーベリーの果物としての特徴から高品質なものの見分け方、栽培方法まで知れるはずです。ぜひ最後まで読んで、ブルーベリーの魅力を知って、おいしく召し上がってみてはいかがでしょうか。

 

 

目次

【疑問】ブルーベリーの旬と収穫時期は?果物としての特徴・栄養・栽培方法まで徹底解説


ブルーベリーとはアメリカ発祥の果物

ブルーベリーは南アメリカに自生したものが北アメリカに渡り、進化・品種改良された果物です。20世紀初頭に野生種から良い系統を選抜し、大粒で味の良い品種を開発して広まりました。ここでは、ブルーベリーの基本データや果物としての特徴について解説します。

ブルーベリーの基本データ

ブルーベリーはツツジ科・スノキ属の植物で、原産地は北アメリカとされています。基本データは次の通りです。

科名・属名 ツツジ科・スノキ属
分類  落葉広葉樹・低木果樹
原産地 北アメリカ
収穫期 6月上旬~9月上旬(品種により異なる)
果実

・小球状の液果
・熟すと紫黒色になり、白いブルーム(粉)をかぶる

耐寒性

・ハイブッシュ系:強い
・ラビットアイ系:やや弱い

土壌 酸性土壌(pH4.3~5.5)
特徴

・花は白~ピンク色の釣り鐘型
・育てやすく家庭果樹として人気

ブルーベリーは低木性の果樹で、小さなスペースでも育てやすい果物です。強酸性土壌を好み、水はけと水もちのバランスが取れた土壌が適しています。品種には寒冷地系の「ノーザンハイブッシュ」や暖地系の「サザンハイブッシュ」、「ラビットアイ」などがあり、それぞれ成長の仕方や味わいが異なります。

熟すと濃い青紫色になり、表面にブルーム(白い粉)がつくのが特徴です。果実は生食のほかにジャムやスイーツに使われ、健康効果も期待できる果実として人気があります。

ブルーベリーは栽培しやすく栄養も満点

ブルーベリーは栽培や栄養面でさまざまな魅力がある果物です。たとえば、次のようなものが挙げられます。

  • 栽培が比較的簡単

  • 健康に良い成分が豊富に含まれる

  • 季節ごとの変化でガーデニング素材としても活躍

  • ジャムやスイーツなど加工用途が広い

ブルーベリーは比較的育てやすい果樹であり、園芸初心者にもおすすめです。鉢植え栽培なら移動や手入れも簡単に済ませられます。また、ブルーベリーには、抗菌作用のあるアントシアニンや食物繊維、ビタミンなど健康に良い成分が豊富に含まれているのも魅力です。

春の白い花、夏の緑葉、秋の紅葉と季節ごとに異なる表情を見せてくれるため、ガーデニングの素材としても楽しめます。スイーツから料理まで用途が広いのも、人気の理由です。

ブルーベリーの旬はいつ?旬を逃さずおいしく食べよう

ジューシーな食感と甘酸っぱさが人気のブルーベリーですが、最高の状態で味わうには旬を知ることが大切です。旬の時期に収穫されたブルーベリーは味が濃く、栄養価も高いのが魅力です。ここでは、ブルーベリーの旬の時期について解説します。

ブルーベリーの旬は品種によって異なる

ブルーベリーの旬は品種によって、次のように異なります。

品種  
ノーザンハイブッシュ 7月上旬~8月上旬
サザンハイブッシュ 6月上旬~7月上旬
ラビットアイ 8月上旬~9月上旬

ブルーベリーに限らず、多くの作物が品種ごとに遺伝的な特性があり、成熟までに必要な生育期間が異なります。同じ系統(ノーザンハイブッシュ系、サザンハイブッシュ系など)でも、早生種・中生種・晩生種といった種類があり、収穫時期が違います。

たとえば、ノーザンブッシュ系には次のような種類があります。

種類  品種例
極早生種 ウェイマウス、アーリーブルー
早生種 スパルタン、コリンス
中生種 バークレイ、ブルークロップ
晩生種 コビル、ダロウ

 

品種ごとの生育期間の違いは、地域の気候や栽培環境に適応するために育種・改良されてきた結果です。寒冷地では生育期間が短い早生品種が、温暖地では生育期間が長い晩生品種が選ばれる傾向にあります。

スーパーに出回るのは6~8月頃

ブルーベリーがスーパーに出回る時期は、おおよそ6~8月頃です。6~8月は国産ブルーベリーの旬にあたり、特に6月中旬から7月にかけて多くの品種が収穫され、店頭に並びます。

「早生」「晩生」などの種類の違いによって、1~2ヶ月程度のずれはありますが、スーパーに並ぶのはおおよそ6~8月頃と考えて良いでしょう。また、そのほかの時期にスーパーで見かける生のブルーベリーはアメリカ産やチリ産などの輸入品であるのが一般的です。

冷凍ブルーベリーは通年で販売されていることが多く、旬以外の時期でも購入できます。

旬のブルーベリーには魅力たっぷり

旬のブルーベリーには、次のようなさまざまな魅力があります。


  • 完熟しており、甘味と酸味のバランスが良い

  • 旬の時期は栄養価も高く、栄養素を効果的に摂取できる

  • 見た目が美しく、夏の季節感を感じられる


旬のブルーベリーは果実が完熟しており、甘味と酸味のバランスが抜群です。大粒で張りがあり、ジューシーで濃厚な風味を楽しめます。果実の色も鮮やかな青紫色で、見た目にも美しく、夏の季節感を感じられる果物としても魅力的です。

ブルーベリーには抗酸化作用のあるアントシアニンやビタミンA、食物繊維などが豊富に含まれ、美容や健康に良い果物として注目されています。


ブルーベリーは、食物繊維、ビタミンC、ビタミンK、マンガンの4つの必須栄養素の摂取源です。また、食物栄養素であるポリフェノールが含まれており、その中にはブルーベリーの青紫色の色素であるアントシアニン(163.3mg/100g)も含まれています。

引用元:USA blueberries|健康へのメリット


ブルーベリーを旬の時期に食べることは味や栄養、鮮度の面でメリットが大きいといえます。ぜひ旬の時期を逃さずに購入したり、収穫したりして、味わいや効果を最大限に引き出しましょう。

質の高いブルーベリーの見分け方

ブルーベリーを購入したり、収穫したりする際にはできるだけ状態の良いものを手にしたいものです。ポイントをおさえてブルーベリーを見分けることで、味も風味も良い質の高いブルーベリーを選べます。ここで解説するポイントを参考に、高品質なブルーベリーを楽しんでくださいね。

質の高いブルーベリーを見分けるポイントには、次のようなものがあります。


  • 全体が濃い青紫色

  • 粒に張りがある

  • 粒がふっくら丸く大きい

  • 表面にブルームが付いている

全体が濃い青紫色

全体が濃い青紫色であることは、質の高いブルーベリーを見分けるうえで大切なポイントです。ブルーベリーは未熟なうちは赤紫色をしており、熟すにつれて濃い青紫色になります。実の色が濃くなるほど甘味が増すため、全体が均一に青紫色になっているものが完熟でおいしいとされています。

特に果実のおしり(実の付け根の部分)は最後に色づく場所です。おしりまでしっかり青紫色になっていることが完熟を判断する重要なポイントです。

粒に張りがある

粒がふっくらとして張りがあるものは新鮮でおいしいブルーベリーの特徴です。皮にシワがあるなど張りがないものは傷みやすい、または鮮度が落ちている可能性があります。張りがあるブルーベリーは、水分や栄養を十分に蓄えて成長した証拠です。

栽培の過程でも、花の数を調整して栄養分を集中させ、適切な水やりや日光管理を行うことで、粒に張りが出やすくなります。質の高いブルーベリーを見分ける際は、粒の張りを確認しましょう。

粒がふっくら丸く大きい

質の高いブルーベリーの見分け方として、粒がふっくらしていて大きいというポイントがあります。粒がふっくら丸く、大きいものは甘味が強く美味しいとされ、生食用で需要が高いです。

果実の規格については、大粒のものは生食用の高級果実として高値で、小粒のものや大量パックの輸入品は加工用として安値で取引される傾向であった。

引用元:東京農総研研報 17(2022)|ブルーベリーの流通・消費の実態と新品種の開発・普及の方向|84ページ


粒が大きいのは果実にしっかり栄養が行き届き、十分に成熟している証拠でもあります。品種によって粒の大きさは異なりますが、一般的に大きくてふっからした粒は甘味が強くおいしい傾向にあります。ブルーベリーの品質を見分ける際は、粒の大きさにも注目しましょう。

表面にブルームが付いている

表面に「ブルーム」と呼ばれる白い粉が付いているブルーベリーも、新鮮で質の高い証拠です。ブルームはブルーベリーが成長する過程で自然にできる白い粉で、雨や朝露などの水分をはじき、病気や乾燥から果実を守る役割を果たしています。

ブルーベリーが作り出す、いわば天然のワックスともいえ、新鮮で品質の高いものを見分ける際の重要なポイントです。ブルームが付いている粒はややマットな質感があります。粒全体にブルームが均一についているかをチェックしましょう。

ブルーベリーの栄養は?目に良いとされる理由も

「ブルーベリーは目に良い」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ブルーベリーにはビタミンやミネラル、食物繊維といった健康や美容に役立つ栄養が豊富に含まれています。ここでは、ブルーベリーに含まれる栄養素の種類と、体への効果についてまとめました。

ブルーベリーには目に良い栄養素が含まれる

ブルーベリーには次のように、豊富な栄養素が含まれています。

 栄養素 含有量(100gあたり)  主な効果
食物繊維 3.3g ・腸内環境の改善
・便秘予防
・生活習慣病の予防
ビタミンC 9mg ・コラーゲン生成促進
・抗酸化作用
・肌の健康維持
ビタミンE 1.7mg ・抗酸化作用
・老化防止
・血行促進
葉酸 12μg ・細胞分裂や成長の促進
・胎児の発育サポート
ミネラル

カリウム

70mg

0.2mg

0.04mg

亜鉛

0.1mg

マンガン

0.26mg

マグネシウム

2~5mg

リン

3.6~9mg

・高血圧予防
・貧血防止
・骨の健康維持
・細胞の代謝をサポート など

アントシアニン 100~200mg ・ポリフェノールの一種
・強い抗酸化作用
・目の機能回復
・眼精疲労軽減

 

ブルーベリーには上記のような栄養素が含まれており、生活習慣病予防や美肌効果、整腸作用、目の健康維持などさまざまな健康効果が期待できます。栄養価の高さから「スーパーフード」と呼ばれることもあります。

「目にいい」というイメージが強いブルーベリーは、「心臓」「インスリン反応」「脳」「がん」「腸内フローラ」への効果が期待されていて、アメリカでは「スーパーフード」に位置付けられているという。

引用元:東洋経済オンライン|ブルーベリーに健康効果以上の効用がある事実

ブルーベリーは小さな果実ながらも栄養価が非常に高く、健康維持に役立つ栄養を豊富に含む果物なのです。

ブルーベリーのカロリーは低め

ブルーベリーのカロリーは低めです。100gあたり48~49kcal程度とされており、ほかの果物と比べても控えめな数値です。ちなみに、主な果物の100gあたりのカロリーは次の通りです。

果物  カロリー(100gあたり)
いちご 31kcal
さくらんぼ 64kcal
キウイフルーツ 51kcal
バナナ 93kcal
りんご 53kcal

参考:果物ナビ|栄養成分一覧表 果物

非常に低いというわけではありませんが、十分低カロリーな果物といえます。糖質も100gあたり8.6g程度で、果物のなかでも比較的低い部類です。ブルーベリーはダイエット中やカロリー制限をしている方にもおすすめの果物といえます。

ただ、ジャムなどの加工品になると、カロリーや糖質が高くなるため注意が必要です。

非常に低いというわけではありませんが、十分低カロリーな果物といえます。糖質も100gあたり8.6g程度で、果物のなかでも比較的低い部類です。ブルーベリーはダイエット中やカロリー制限をしている方にもおすすめの果物といえます。

ただ、ジャムなどの加工品になると、カロリーや糖質が高くなるため注意が必要です。

ブルーベリーの主な品種は3種類!品種ごとの特徴と魅力

普段あまり意識することはないかもしれませんが、実はブルーベリーにはいくつかの系統が存在します。寒冷地向けの「ノーザンハイブッシュ系」や育てやすい「ラビットアイ系」などです。ここでは、ブルーベリーの主な系統3種類の特徴と魅力について解説します。

ノーザンハイブッシュ系|寒冷地での栽培に向く主力品種のひとつ

ブルーベリーの代表的な系統のひとつが、寒冷地向けの「ノーザンハイブッシュ系」です。主に北海道や東北地方で主力となっている品種で、果実は大粒、酸味と甘味のバランスが良いのが大きな特徴です。

お勧めは、那須高原の自然で育てられたNasu Highland Blueberry Park です。

ノーザンハイブッシュ系の品種を高品質でお届けしています。 

品種 画像  特徴
バークレー

出典:Nasu Highland Blueberry Park

風味がよく、酸味が少ないため食べやすい
ブルークロップ

出典:Nasu Highland Blueberry Park

風味がよく、果肉の締まりが良い代表品種

 

レカ

出典:Nasu Highland Blueberry Park

ニュージーランド生まれの品種で暑さに強く、収穫量が多い

 

レガシー

出典:Nasu Highland Blueberry Park

育てやすさや爽やかな香りが人気
チャンドラー  

出典:Nasu Highland Blueberry Park

最大級の粒の大きさに育ち、甘味と酸味のバランスが良い

 

上記のほかにも、ノーザンブッシュ系の品種には次のようなものがあります。


  • ブルーレイ(果実が大粒で味もよく、人気が高い品種)

  • ハーバード(果皮が薄く、果肉がやわらかくジューシー)

  • コビル(酸味がやや強めで風味が良い)

  • アーリーブルー(早生品種で酸味が控えめ)

  • コリンズ(甘味と酸味の調和がとれ、風味に優れる)


ノーザンハイブッシュ系は、酸味と甘みのバランスが良く、果物としての品質に優れる系統です。品種によって、早生・中生・晩生など成長スピードや、実の大きさ、風味、育てやすさなどに違いがあります。

Nasu Highland Blueberry Parkではノーザンハイブッシュ系の上質なブルーベリーを、朝摘み出荷しています。希少な超大粒がとれることもあるので、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。

サザンハイブッシュ系|甘味が際立つ暖地向けの品種

「サザンハイブッシュ系」は暖地向きに開発されたブルーベリーの継投で、東北地方南部から沖縄までの温暖な地域の栽培に向いています。ノーザンハイブッシュ系と同じく果実の食感はなめらかで、豊かな風味が特徴です。

サザンハイブッシュ系の品種には、次のようなものがあります。

品種  特徴
ミスティー 収穫量が多く、育てやすい。酸味のきいたフレッシュな味わいが特徴。
オニール 果実が大きくて甘味が強いため、生食に向いている
シャープブルー 育てやすく、収量が多い品種で初心者にもおすすめ
サンシャインブルー 低木で家庭菜園でも育てやすい。果実は小粒だが甘味が強い。
ジュエル 強い甘味がありつつも適度な酸味もあり、食べやすい

サザンハイブッシュ系は、ノーザンハイブッシュ系と比べて甘味が強く、酸味が控えめなのが特徴です。果実が大粒なものも多く、生食にも適しています。樹が小さめの品種も多く、鉢植えなど限られたスペースでも育てられるため、家庭菜園にも適している系統です。

新品種の開発も進んでおり、上記のほかにも魅力的な品種が多数登場しています。

ラビットアイ系|初心者でも育てやすく家庭菜園にもおすすめ

「ラビットアイ系」のブルーベリーは、日本の暖地を中心に広く栽培されている系統で、家庭菜園やブルーベリー狩りなどで人気の高い品種です。未熟な実がウサギの目のように赤く色づくことから、ラビットアイという名前がつけられました。

ラビットアイ系には、次のような品種があります。

品種  特徴
ピンクレモネード 鮮やかなピンクの実が特徴で、甘味が強く爽やかな酸味がある
ティフブルー 栽培が簡単で安定した品質をもつ、ラビットアイ系の定番品種
ブライトウェル 収量、サイズ、甘さのバランスが良い人気の品種
パウダーブルー さっぱりした甘さが特徴で、味の変化も楽しめる
プレミア 実が大きく糖度が高いが、収量はやや控えめ

ピンクレモネード(出典:Nasu Highland Blueberry Park

ラビットアイ系の品種の多くは甘味が強いものが多く、完熟までしっかり待つことで濃厚な味わいを楽しめます。収量が多いことも特徴で、家庭用にも商業用にも向いている系統です。土壌適応性が広く、暑さや乾燥にも強いので、初心者でも育てやすい系統です。

Nasu Highland Blueberry Parkでは、鮮やかなピンク色が美しい「ピンクレモネード」も栽培しています。

ブルーベリーの栽培方法と保存方法

ブルーベリーは比較的育てやすい果物で、家庭菜園にも向いています。ここではブルーベリーの栽培方法と、収穫後の保存方法について解説します。初心者でもポイントをおさえて栽培することで、おいしいブルーベリーを育てられるはずです。

 

ブルーベリーの栽培カレンダー

品種によってやや異なる部分はありますが、ブルーベリーの主な栽培の流れは次の通りです。

冬季は休眠期に入るため、不要な枝や古い枝、交差した枝を剪定します。樹形を整えることで、春からの成長を促進します。関東以北では、2月中旬~3月までに植え付けを行い、元肥を施肥しましょう。

4~5月までに追肥をして成長を促します。花が咲き始める時期で、必要に応じて人工受粉を行います。系統や品種によって収穫時期は異なりますが、6~9月上旬までが収穫時期です。収穫後に追肥を行い樹の回復を促し、不要な枝を選定して風通しを良くしましょう。

植え付け時期は、関東以南は9月下旬~12月上旬、関東以北は2月中旬~3月が目安です。

4月~9月上旬までは乾燥に注意し、こまめに水をあげましょう。

準備や植え付け、収穫のポイント

ブルーベリー栽培では、準備と植え付けのポイントをしっかりとおさえることで、生育が良くなったり収量が増えたりと、満足のいく栽培ができます。ここで解説するポイントをおさえて、ぜひブルーベリーを健康に育てて、満足のいく収穫にしましょう。

系統・品種選びは栽培地域や好みで選ぶ

ブルーベリーの系統や品種選びは、栽培地域や好みで選ぶのがおすすめです。主な3つの系統で、それぞれ適した栽培地域や気候条件があります。

系統 適した地域・気候条件  特徴
ノーザンハイブッシュ系 寒冷地(北海道中部~東北、関東甲信越、北陸、中国山地、吸収の高冷地など) 寒さに強く、低温要求量(必要な低温期間)が多い
サザンハイブッシュ系 温暖地(関東以西の平地、ラビットアイ系と同等またはそれ以上の暖地など) 寒さに弱く、温暖な地域で栽培しやすい
ラビットアイ系 温暖地(西日本、四国、九州など) 高温や乾燥に強く、温暖地向き

地域の気候に合わない系統や品種を選ぶと、寒さや暑さに耐えられず、実がつかなかったり枯れたりしてしまう可能性があります。そのため、栽培地域の気候に適した系統や品種を選ぶことが栽培成功の第一歩です。

また、品種によって果実の大きさや味、用途(生食向き、加工向きなど)も異なるため、好みやニーズに合わせて選ぶのもポイントです。

土壌を用意して適期に植え付ける

ブルーベリーは酸性土壌(pH4.3~5.5程度)を好み、通気性や保湿性、排水性の良い土壌を用意することが大切です。植え付け時にはピートモスやバーク堆肥などを混ぜて土壌のpHや性質を調整し、適した環境を整えましょう。

ピートモスは土の保水性と酸性度を高めてくれます。土は鹿沼土などの通気性や排水性の高いものを使用し、粘土質や中性~アルカリ性の庭土はおすすめできません。植え付け場所に幅50cm以上、深さ30~40cm以上の土を用意しましょう。

植え付けの時期は、関東以北の寒冷地では2月中旬~3月、関東以南の温暖地では9月下旬~12月上旬です。

施肥や剪定で成長をサポート

施肥や剪定はブルーベリーの成長をしっかり促すために重要なポイントです。ブルーベリーが植え付け時だけでなく、生育に応じて年間3回程度の施肥(春の元肥。実が大きくなる前の追肥、収穫後の追肥)がおすすめです。適切な時期と量で肥料を与えることで、実つきや成長が良くなります。

たとえば、鉢植えで栽培する場合は、1回あたり約30~50gの肥料を施しましょう。地植えでは、1株あたり約100~150gを施肥します。肥料はブルーベリー専用肥料や、低濃度の化成肥料(N:P:K=8:8:8など)が適しています。

また、冬季の休眠時や収穫後に剪定することで、花芽や枝数を調整し、株のバランスや実の品質向上が可能です。

冬季剪定(1~2月)は、不要な枝や古い枝を切り落とします。樹のエネルギーを蓄えさせ、春からの成長を促します。切り落とす具体的な箇所は次の通りです。


  • 成木の古い太い枝

  • 枯れた枝や病害虫で傷んだ枝

  • 実つきが悪い細くて弱い枝

  • 内向きや交差している枝

  • 込み合った部分の枝

  • 3~4年目のシュート(根元から伸びる新しい枝)やサッカー(主幹から離れた場所に映えてくる枝)


夏季剪定(8~9月)は、収穫後に行います。春から夏にかけて伸びすぎた枝を整理して、風通しや日当たりを確保するのが目的です。具体的には、次のような箇所を切り落としましょう。


  • 急激に長く伸びた(徒長枝)枝の先端3分の1

  • 枯れ枝や傷んだ枝、細すぎる枝

  • 内向きや交差している枝

  • 密集している部分の枝葉

  • サッカーや不要なシュート


夏季剪定は切り過ぎず、不要な枝や葉を整理するイメージで行いましょう。花芽のついた枝を数本残さないと、翌年に花が咲かず、果実ができなくなってしまうので注意が必要です。

完熟を見極めて収穫

完熟を見極めることは、品質の高いブルーベリーを収穫するために重要なポイントです。完熟の見極め方は、次のようにいくつかあります。


  • おしり(果実の付け根)までしっかり色づいていること

  • 「完熟リング(ブラックリング)」と呼ばれる黒い輪が付け根に見られること

  • ブルームと呼ばれる白い粉が果実全体にまんべんなく付いていること

ブルーベリーは樹上でのみ完熟し、早摘みすると酸味が強くなってしまいます。生食用など甘味を十分に引き出したい場合は、完熟のサインを待って収穫しましょう。

収穫後は適切な保存方法で鮮度を保つ

ブルーベリーは収穫後にすぐに風味や鮮度が落ちやすいため、適切な方法で保存することが大切です。常温保存には向かないため、冷蔵保存か冷凍保存で保存しましょう。

冷蔵保存のポイントは次の通りです。


  • 傷んだ実や破れた実は取り除く

  • 水洗いせずにそのままキッチンペーパーで包み、ポリ袋などに入れる

  • ポリ袋の口は緩く縛り、通気性を確保する

  • 冷蔵庫の野菜室でおよそ1週間の保管が可能


水洗いすると皮が傷みやすく、果実を守るブルームも落ちてしまうため、食べる前に洗うのがおすすめです。

また、次の方法で冷凍保存もできます。


  • 傷んだ実を取り除き、水洗いして、キッチンペーパーなどで水気を拭き取る

  • 冷凍用保存袋に平らに敷きつめ、なるべく空気を抜いて密閉する

  • 冷凍庫でおよそ6ヵ月の保存が可能

  • 冷凍にすると解凍時に実がやわらかくなるため、ジャムづくりなど加工に向く


生食する場合は冷蔵保存がおすすめですが、保存期間はおよそ1週間と短いため、早めに食べきりましょう。また、冷凍保存したブルーベリーは生食には向かず、凍ったままジャムやスムージー、デザートづくりなどに使うのがおすすめです。

ブルーベリーの食べ方は多彩!ジャムから料理まで

生食はもちろん、冷凍したままケーキやゼリーに添えたり、ソースやジャムに加工できるなど、ブルーベリーの食べ方は多彩です。ここでは、ブルーベリーのおすすめの食べ方を紹介します。特有の甘味と酸味を活かして、幅広い使い方を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ブルーベリージャム

ブルーベリージャムは、生のブルーベリーと同様に食物繊維やビタミンE、アントシアニンなどの抗酸化成分が豊富に含まれ、栄養価の高さが魅力です。生のブルーベリーは保存期間がおよそ1週間と短いですが、ジャムにすると冷蔵庫で1年ほど保存が可能になります。

「トーストに塗る」「ヨーグルトやアイスに添える」「ケーキやデザートのソースに活用する」など多彩な食べ方が楽しめます。

ブルーベリージャムの材料と基本的な作り方は、次の通りです。


【材料】

  • ブルーベリー(生または冷凍):200g

  • 砂糖40~80g(お好みで調整)

  • レモン汁 少々


【作り方】

  1. 鍋にブルーベリーと砂糖を入れ、中火にかける。

  2. ブルーベリーが崩れて果汁が出てくるまでゆっくり煮る。焦げないようにときどきかき混ぜる。

  3. とろみがついてきたら火を弱めてレモン汁を加え、さらに数分煮詰める。

  4. 清潔な瓶に熱いうちに詰め、密封して冷ます。

ブルーベリーヨーグルト

ブルーベリーヨーグルトは、ヨーグルトの乳酸菌やタンパク質と、ブルーベリーのアントシアニンやビタミン、食物繊維を同時に摂取できる健康や美容に嬉しい組み合わせです。生のブルーベリーやジャム、冷凍ブルーベリーなど好みに合わせて手軽に作れるのも魅力で、甘酸っぱさとヨーグルトのまろやかさが絶妙にマッチします。

ブルーベリーヨーグルトは朝食やデザートにおすすめなほか、スムージーやムースなどにもアレンジ可能です。

ブルーベリースムージー

ブルーベリーはスムージーにも使えます。ほかのレシピ同様に、ブルーベリーの豊富な栄養素をとりやすくおすすめです。ミキサーに材料を入れて混ぜるだけで簡単に作れるうえに、ヨーグルトや豆乳、ほかのフルーツと組み合わせるなどアレンジが自在です。

ブルーベリーの酸味でさっぱりと飲めるため、朝食やおやつとして楽しめます。ブルーベリースムージーの作り方は、次の通りです。


【材料】(1~2杯分)


  • 冷凍ブルーベリー:50g

  • バナナ:1本

  • 牛乳または豆乳:100ml

  • ヨーグルト(無糖):50g

  • 砂糖またははちみつ:小さじ2(お好みで)


【作り方】


  1. バナナはちぎり、ほかの材料と一緒にミキサーに入れる。

  2. なめらかになるまで混ぜる。

  3. コップに注ぎ、お好みでミントやブルーベリーを添えて完成。

ドライブルーベリー

ブルーベリーは、ドライフルーツとしても楽しめます。ビタミンEやミネラル、食物繊維やアントシアニンを手軽にとれる食品で、幅広い健康効果や美容効果が期待できます。生のブルーベリーと比べて長期保存が可能で、さまざまな料理やデザートに手軽に使える点も魅力です。そのまま食べても、凝縮された甘酸っぱさと風味を楽しめます。

ドライブルーベリーの作り方は、次の通りです。


【材料】


生のブルーベリー


【作り方】(オーブン使用の場合)


  1. ブルーベリーをよく洗い、水気をしっかり拭き取る。

  2. クッキングシートを敷いた天板に重ならないように並べる。

  3. 100℃前後の低温のオーブンで3~4時間ほど乾燥焼きする(途中で様子を見て、均等に乾燥するように混ぜる)。

  4. しっかり水分が抜けて、しわが寄ったら完成。冷まして密閉容器で保存する。


砂糖やレモン汁を加えて軽くに立たせてから乾燥させると、より甘味や風味が増します。また、天日干しの場合は風通しの良い場所で2~3日干し、途中で何度か裏返すのがポイントです。

凍らせて食べる

収穫後のブルーベリーをすぐに冷凍させることで、栄養価を生とほぼ同じく保ったまま保存できます。冷凍しても栄養素が失われることはほとんどなく、アントシアニンが増加するという研究結果もあります。


The ice crystals that form during freezing disrupt the structure of the plant tissue, making the anthocyanins more available.(凍結中に形成される氷の結晶は、植物組織の構造を乱し、アントシアニンをより利用しやすくします)

引用元:ScienceDaily|Freezing blueberries improves antioxidant availability


長期保存が可能で、いつでも手軽に使えるのが冷凍ブルーベリーのメリットです。スムージーやヨーグルト、お菓子作りの材料など幅広く使えます。冷凍ブルーベリーは次のような手順で簡単に作れます。


  1. ブルーベリーをやさしく水洗いし、傷んだ実や柔らかい実を取り除く。

  2. キッチンペーパーなどでしっかり水気を拭き取る。

  3. 実が重ならないようにバットやトレーに並べ、ラップをかけて冷凍庫に入れる。

  4. 凍ったら保存袋や密閉容器に移し替えて冷凍保存する。


実が重なるとくっつきやすいので、最初は平らに広げて凍らせるのがポイントです。

ブルーベリーについてよくある質問

ブルーベリーはジャムやスムージーなどに使われる身近な果物ですが、実は知らないことも多いのではないでしょうか。ここでは、ブルーベリーについてよくある質問について回答します。ブルーベリーについて知識を深め、魅力を再確認しましょう。

日本におけるブルーベリーの産地・生産高は?

日本におけるブルーベリーの主な産地として、東京や長野、群馬などが挙げられます。令和4年度の産地と生産高を表にまとめました。

順位 都道府県  生産量(トン)
1位 東京都 326.0
2位 長野県 252.2
3位 群馬県 236.7
4位 茨城県 203.5
5位 千葉県 108.9

参考:農林水産省|特産果樹生産動態等調査(令和4年度)

日本国内のブルーベリー生産量は2,220.5トンで、上位5都道府県で全国生産量の半分を占めています。東京都が日本におけるブルーベリー栽培発祥の地で、関東で多く生産されていることがわかります。

日本のブルーベリーは北海道から九州まで広い範囲で栽培されており、観光農園や直売所での販売が盛んで、品種や産地ごとの特徴を活かした生産が行われています。

ブルーベリーは家庭菜園で栽培できる?

ブルーベリーは家庭菜園で栽培できます。畑がなくても鉢やコンテナなどでも育てやすく、家庭菜園初心者にもおすすめの果樹といえます。鉢植えで育てる場合も、基本的に管理の仕方は地植えと同じですが、以下のポイントをおさえるとよりうまく育てられるでしょう。

  • 苗より一回り大きく、幅広で深さよりも幅のある鉢を使用する

  • 底穴のある鉢を選び、鉢底石を敷いてから土を3分の1ほど入れる

  • 根を軽くほぐした苗を鉢の中心に置き、周りに土を入れて固定する

  • 日当たりの良い場所が理想だが、夏場は乾燥に注意する

  • 2~3年に一度植え替えを行い、根詰まりと通気性の悪化を防ぐ

ブルーベリーは家庭菜園やベランダでも手軽に育てられ、適切な品種選びや管理を心がけると、毎年自家製のものを収穫できます。

 

ブルーベリーとブラックベリー、ラズベリーの違いは?

ブルーベリーに似た果物として、「ブラックベリー」や「ラズベリー」が挙げられます。どれも「ベリー」が付くため、同じ種類の果物と思われがちですが、実はブルーベリーだけ分類が異なります。


ブルーベリー ブラックベリー  ラズベリー
科・属 ツツジ科スノキ属 バラ科キイチゴ属 バラ科キイチゴ属
見た目 丸くてつるんとした青紫色
黒くて粒が集まった形

 

赤くて粒が集まった形

 


実の構造 1粒が1つの果実 小さな核果が集まった集合果 小さな核果が集まった集合果
栄養素 食物繊維、アントシアニン、ビタミンCなど アントシアニン、ビタミンCなど 食物繊維、ビタミンCなど

甘味と酸味のバランスが良い

コクと渋み、酸味も強い 酸味が強くさっぱり

ブルーベリーはツツジ科、ブラックベリーとラズベリーはバラ科キイチゴ属です。ブルーベリーが1粒で1つの果実を成すのに対し、ブラックベリーとラズベリーは小さな粒(小核果)が集まった集合果です。

栄養価は似ている部分が多く、ブラックベリーは特に抗酸化作用が高いとされています。


ブラックベリーとラズベリー抽出物は抗酸化作用も大きく,高いSPF値を示したことから,日焼けによる皮膚障害から保護,皮膚の老化を防ぐことを目的として活用できる可能性が示唆された。

引用元:特定非営利活動法人 日本メディカルハーブ協会|日焼け防止にブラックベリー,ラズベリー果実〜 SPFと抗酸化活性は? 〜

ブルーベリーは甘味と酸味のバランスが良く、生食に向きます。一方で、ブラックベリーは酸味が強く、渋みもあるため主に加工向きです。ラズベリーは酸味が強く、生食やデザートに適しています。

ブルーベリーの苗はどこで買うのが良い?

ブルーベリーの苗は、さまざまな場所や方法で購入可能です。たとえば次のような購入方法があります。


  • 園芸店・ホームセンター

  • 農園直売・ブルーベリー農家

  • ネット通販


実店舗では実際に苗の状態を確認でき、初心者向けの一般的な品種が中心に販売されています。ネット通販では豊富な品種から選べるため、好みに合わせて購入できる点がメリットです。実物は確認できませんが、園芸専門のネット通販では苗の質が高いことが多いです。

初心者はホームセンターや園芸店などで、スタッフの説明を受けながら購入すると安心でしょう。

まとめ

本記事では、ブルーベリーの魅力から旬の時期まで解説しました。ブルーベリーは園芸初心者でも簡単に育てられる果物として人気が高く、用途も多彩です。さまざまな系統や品種があるため、育てる地域や好みに応じて選んで育ててみてはいかがでしょうか。

また、栄養価も高く、健康や美容にも良い食品とされています。本記事で紹介したレシピから始めて、おいしくブルーベリーを食べて健康な体づくりに役立てましょう。丸栄工業が運営する「Nasu Highland Blueberry Park」でも、うまみを最大限に引き出した高品質な大粒ブルーベリーを栽培しています。最高峰のブルーベリーをぜひ一度お試しください。